魔王城の一室。
ホルマリンやはく製などが並べられた研究室のような自室で、
マオは一心不乱に漫画を読みふけっていた。
漫画は超勇者が極悪魔王を打倒するストーリー。
読み終わった後、マオは一大決心をする。
「我は今日から勇者になるぞ!」
仮にも魔立邪悪学園の理事長でもある魔王の一人息子が
勇者になろうとは一大事。
しかし、おやじを倒すことを目標としているマオは
魔王を倒すのは勇者と相場は決まっているという論理で、
勇者になるための力をてにいれようと考える。
付き人のじいやの助言を得たマオは、勇者を捕獲して、
その力の謎を解き明かそうとするのだった。
マオが伝説の勇者を探そうと動き出している一方、
そのことを知ったラズベリルは
優等生のマオが勇者になる=マオが不良デビューして
学園一の不良の地位が危うくなると考える。
お供の女生徒二人を引き連れて、
大急ぎでマオに勇者になることをやめるように説得しようとする。
もちろん、不良なので話し合いで解決第一、暴力反対。
勇者の居場所を突き止めたマオは、
魔王城にやってきたという勇者のところへむかう。
その途中、ラズベリルが現れて、
マオに優等生の道を踏み外さない様に忠告する。
・・・その様子を遠くから見ていた自称勇者アルマースは、
少年と女の子が悪魔に襲われていると勘違い。
悪魔と戦う勇気もなければ知恵も無いアルマースだったが、
勇者は困難に正面から立ち向かうという信念から、
弱々しくも二人を助けようと姿を現す。
突然の勇者の登場で、マオは大興奮。
アルマースが持つのは勇者の称号。
マオはその称号を狙ってアルマースを捕獲するのだった。
はたしてマオは勇者になって魔王を倒せるのか?
それともラズベリルの説得が実を結ぶのか?
アルマースの運命は?
波乱に満ちた悪魔的ストーリーがここに始まる。