◆キャラ育成の楽しみを存分に味わえる『ディスガイア』シリーズ最新作!


 魔界を舞台にした常識破りのストーリーやキャラクターをレベル9999まで育てられるといった要素が特徴の、やり込みシミュレーションRPGの人気作『魔界戦記ディスガイア』シリーズ。
本作は、その最新作にして、シリーズ初(日本一ソフトウェアとしても初!)のPS4タイトルです。

基本システムに大きな変化はないものの、PS4になったことでさまざまな部分がパワーアップ。新要素も多数用意されていて、シリーズのファンはもちろん初めてプレイする人にもオススメの作品になっています。
そこで、PS4ならではの要素を軽くチェックしつつ、個人的にシリーズ過去“最凶”に楽しい、キャラ育成の魅力を紹介しましょう。

 PS4のスペックを生かし、細かな部分も含めて多くの面で進化している本作。単純にグラフィックが美しくなっただけでなく、これまで表示の切り替えが必要だったATK(物理攻撃力)や投げ距離をはじめとする各種能力値を一画面で見られるなど、画面表示の形式も見やすく変化しています。
また、作品によっては複数のエリアで構成されていた拠点が1つの広いエリアのみになり、エリアの切り替えなしに多彩な施設を利用可能に。
PS4のパワーのおかげか、作成すると拠点の住人になる汎用キャラを作りまくり、拠点をキャラだらけにしてもまったく問題ありません。それは、新要素の部隊システムで各部隊のリーダーが使える、無数の所属隊員が一斉攻撃を仕掛ける特殊技を使った際も同じ。
部隊の規模しだいですが、かつてないほどの数のキャラが敵に襲いかかる演出は、過去作では不可能だっただけでなく、ほかの特殊技では味わえない迫力を実現しています。
とはいえ、本作の進化点の最大のポイントは、なんといってもプレイの快適さ。さすがにゲーム起動時は別ですが、拠点と戦闘マップの行き来といった、これまでロードが発生していた場面でも、データの読み込みを一切感じません。戦闘や施設の利用など、あらゆる要素をスムーズに楽しめます。まさにストレスフリー!

 さて、そんな快適プレイが特徴の本作の最大の魅力が、さまざまな手段による極限のキャラ育成。とくに「攻撃力+○%」といった特殊能力「魔ビリティー」を装備して行うキャラのカスタマイズの自由度が、大幅にアップしているところが、個人的には一番気に入っているポイントです。
前作『4』などでは装備できるのは2つまでだったのが、本作では新たに専用の装備スロットにコストの範囲内なら3つ以上を装備可能になりました。スロット数はレベルを上げる、特定の敵を倒すといった条件を満たすことで最大10以上に増加し、習得できる魔ビリティーの種類が非常に豊富なため、組み合わせのバリエーションも無限大……は言い過ぎですが豊富なのです。
なお、魔ビリティーには、マナさえあれば無条件に習得できるものから、職業・種族のクラス熟練度を上げる、特定のクエストをクリアするといった条件を満たさなければ習得できないものも。当然、条件があるものほど有用な場合が多く、効果の高いものは基本的に主人公のキリアなどに装備させるのがベター。しかし、私は魔法使い(女)愛好家なので、その時点では1人にしか習得させられない魔ビリティーでも、問答無用で魔法使い(女)に装備しています。
また“やられる前にやる”がモットーなので、例えばキリアは「隣接するユニットからの攻撃ダメージを20%軽減」「ATK+10%」「クリティカル率+10%」といった魔ビリティーを習得可能ですが、ダメージ軽減は完全にムシ。スロット数が足りないときは当然、増えてからも「ATK~」「クリティカル率~」しか習得&装備していません。魔界は力こそ正義!
画面写真
 キャラ育成に関係する要素は魔ビリティーだけではありません。シリーズを代表する「転生」は、例えばレベル1000まで育てたキャラをレベル1から育て直すというもの。シリーズ未プレイの人は“せっかく育てたのに”と思うかもしれませんが、それまでに上げた総レベルに応じて初期ステータスがアップするので、じつは育成の基本にして必須の手段です。
実現するのはたいへんですが、転生を繰り返すことで作成時にATKが100だったキャラを、レベル1にしてATK1000を誇るキャラにすることも可能。当然、その能力値はレベルを上げるにつれてアップしていくので、同じレベル9999でも未転生のキャラと転生しまくったキャラでは、能力値が文字どおりケタ違いになるのです。ホント、数十万が数百万になるくらい違ってくるのでビックリしますよ!

 また、移動力や投げ距離などの能力はレベルアップでは上がりませんが、キャラ界(シリーズおなじみですが、本作では新たにスゴロク形式に進化)に挑むことで上げられるほか、アイテム界で装備品の性能を強化するといった要素もアリ。
さらに「○○のカケラ」や「魔力のエキス」というアイテムを使うことで、その数値ぶん(アイテムにもATKなどの数値があり、100なら100)ステータスをアップできます。
まあ、攻略ページ(P.54~)の育成指南で解説されているので詳細はそちらを参考にしてもらうとして、各種要素を駆使してキャラを育成することで、敵に与えるダメージが数万、数十万と増えていくのは、育成が好きな人にはたまらないかと。私は育成モノが大好物なので、こっそり攻略に必要な範囲をオーバーして進めて、キャラが成長する快感を満喫しています(笑)。

 キャラ育成=やり込みな感じで語ってきましたが、本作は別にやり込みが必須ではありません。普通に戦ってレベルを上げつつ、主人公・キリアをはじめとする魔王たちの、魔帝ヴォイドダークへの叛逆の物語を楽しむのも大いにアリ。
PS4になったことで、ストーリーのボリュームもアップしていて、過去作では全10話(各話およそ5マップ)程度だったものが、本作では各話のマップ数こそ同程度ながら全16話になっています。
基本的にストーリーは各マップに挑む前後のイベントで進行するのですが、イベントが起きないマップも多かった過去作と違い、本作ではほとんどのマップでイベントが展開
各キャラの背景や成長がしっかり描かれるので、ストーリーを楽しむために遊んでも十分満足できます。PS4ユーザーならぜひプレイを!
 ハードを未所持の人は、本作とセットで購入しても超絶問題ナシです!

◆ライターLお気に入り『D5』“○○屋”セレクション
本作は、部隊システムにおける各部隊の編成を「部隊屋」で行うなど、お店がシステムの1要素になっている場合が多いのが特徴。
ここでは、私が気に入った&プレイ中にお世話になった「○○屋」をピックアップして紹介します。どれもプレイに役立つ施設ばかり……のハズ!

1:ズルして育成をラクにするチート屋
取得経験値を増やしたり敵の強さを上げた
りと、ゲームバランスの変更が可能な施設。
便利だが、敵を通常より弱くすることはで
きない。
また、取得経験値を増やす場合は取得ヘル
(お金)などを減らす必要がある。
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2:高レベルのキャラも作れるスカウト屋
汎用キャラの作成が可能な施設。
暗黒議会で行う&必ずレベル1からのスタ
ートだった過去作と違い、ヘルでキャラを
雇う形式になった。
既存のキャラの強さと所持金しだいで、い
きなり高レベルのキャラを作成可能
画面写真

3:あらゆるモノを材料にできるカレー屋
各種カレーを食べられる施設。
食べたカレーしだいでHP上昇といった効
果を得られる。
自分で材料=アイテムを選んで作ることも。
でき、ゴム手袋をはじめほぼすべてのアイ
テム
を材料にできるのがポイント。
画面写真

ライン

L(ぽこんLOVE)
『5』は、個人的にはシリーズ最高傑作な
んじゃないかと。ヤバイくらいプレイが快
適で、中断するタイミングに困るくらい! ウィンドウフェイス

※本レビューは「電撃PlayStation Vol.589(2015年4月23日発売)」に掲載されたものです。