魔界の底辺にある刑務所
“地獄”――
ここは罪を犯した人間の魂を加工し、下っ端悪魔の
“プリニー”として出荷する施設である。
今、その地獄の真ん中で、プリニーの教育係を務める吸血鬼・
ヴァルバトーゼが怒りに拳を固めていた。
彼が手塩にかけて教育してきたプリニー達が、出荷の目前に突然拉致されたのだ。
「おのれ……、許さんぞッ!このままではプリニーどもとの約束が果たせないではないか!」
ヴァルバトーゼには彼なりの美学があり、約束や契約を守ることを信条としている。
プリニーと交わした
「イワシを与える」という約束をなし崩しにされては黙ってはいられない。
彼に付き従う狼族の青年・
フェンリッヒの情報によると、どうやらこの騒動は地獄を管理する者、地獄を統括している
“魔界政腐”のたくらみによるものらしい。
「イワシの約束を果たすまでは、たとえ政腐だろうと大統領だろうとプリニーどもに手出しはさせん!!」
プリニーとの
「イワシの約束」を果たすため、ヴァルバトーゼたちは魔界政腐からの
プリニー奪還作戦を決行!
横暴な政腐の行いを正すため、かつて暴君と呼ばれた吸血鬼が行動を開始する。