『転校生がやってくる。 その転校生は、ラズベリルを上回るほどの“不良”らしい。』
転入に際して、いち早く学費と給食費を支払ったというその人物の噂に、 学園関係者の大半は、驚き、あきれ、戦慄し、ごくごく一部のものはその不良ぶりに感心のため息をついた。 (生徒の大半はどちらも踏み倒している。支払うのは変わり者……超ド級の不良である。)
どんな強敵が現れるのかと身構える学園一の優等生マオ。 しかし、おずおずと自己紹介をする転校生の話を聞いて一同は二度おどろくことになる。 転校生“ルチル”は、人間界からやってきた人間とネコマタのハーフだという。
人間界の常識は魔界の非常識― ルチル自身は良かれと思ってしたことで、悪目立ちしてしまったのだ。
そんな折、魔立邪悪学園の権利書が何者かによって盗まれる事態が発生する。 盗難事件の裏にちらつく、ライバル校“死立魔神学園”の存在。 マオたちは、権利書を取り返すため、学園を脅かす脅威に立ち向かうことになるのだが―