プロローグ
先代魔王“クリチェフスコイ”の死後、その一人息子が並み居るライバルをなぎ倒し、『魔王』の座にのぼりつめた。 それから数年。 魔王ラハールは、とある不満を抱えていた。 『なぜオレさまが魔王になったことを誰も知らんのだ!』 魔王の座にはついたものの、まだまだ先代魔王のカリスマには遠く及ばないラハール。 『力』だけが自慢のひよっこ魔王に従う悪魔は、今のところ、ごくごくわずか。 魔界に暮らす悪魔たちは、新しい魔王が誰なのかも知らずに、好き勝手しているのだ。 ラハールは、己の存在を知らしめて、亡き父親を超えるため家来のエトナやフロンとともに実力行使へと乗り出すことに! そんな折、天界から突如“魔王”宛に荷物が送られてくる。 『魔王宛? ならばオレさまのものだな!』 嬉々として荷物をあけようとするラハールだったが、荷物の“中身”に、唖然とすることに―